exhibition 2025.03.15 更新
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覧古考新02 清正のみつめた時代
会期 | 2025.3/22(土)~3/31(月) |
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時間 | 10:00~17:00 |
休日・料金 | 3/26休み/入場無料 |
「覧古考新」は、さまざまな視点から津軽塗を紹介する、CASAICOの新シリーズ企画です。第2回は、2021年の開廊10周年企画で紹介した漆芸家・藤田清正氏に再び光を当てます。もともと津軽塗の技術を習得していた藤田氏は、漆絵ななこの名手・奈良金一にななこ塗を学び、太平洋戦争からの復員後、青森県工業試験場で働き始めました。1951年には、試験場の研修として京都に派遣され、二代鈴木表朔に蒔絵、岡田章人に蒟醤を半年ずつ習いました。この経験により、藤田氏の漆芸の幅はぐっと広がりました。地元採用の技官でありながら、津軽塗以外の技法も使いこなす藤田氏は、1982年に試験場を退官すると、2005年に亡くなる直前まで精力的な製作を続け、数えきれないほどの作品を残しました。
清正氏が働いた青森県工業試験場の漆工課は、他県の漆産地から招かれた技術者が在籍していました。また以前は、染織や窯業などの部署もあったため、陶芸家の鳴海要が一時期働いていたりもします。もちろん、試験場の業務を通して津軽塗職人たちとも交流がありました。藤田氏は、多様な工芸技術が集うサラダボウルのような環境で、長年勤めてきたのです。本展では、藤田氏の作品約30点の展示販売に加え、縁あって彼の手に渡った津軽の作り手たちの作品も併せて展示します。藤田氏が漆工として生きた「時代の風景」を是非ご覧ください。